令和3年に社会保険労務士白書が初めて発行されました。
社会保険労務士制度が平成30年に50周年を迎えたこと、
新型コロナウイルスにより社労士の役割が重要となった社会背景があったこと等から、
社会保険労務士の使命を改めて確認するとともに、社会保険労務士の地位を向上させるため、
社会保険労務士連合会が発行することとなりました。
ポイントなのは、連合会が発行しているということです。
厚生労働白書や労働経済白書のように、政府が発行している白書と違い、
オフィシャル感が薄いのが気になる点だと個人的には思っています。
【内容】
内容としては、4章構成になっていて、
第1章では、「社労士制度発展に向けた取組」というテーマで、
連合会がどのような役割を果たしたかが記載されています。
デジタル化の推進や、同一労働同一賃金等、非常に重要なテーマが取り上げられていますが、
そのテーマについての連合会の取組が取り上げられているのが主な記載事項となっています。
たとえば、「デジタル推進課本部を設置した」であるとか、「有給管理簿のエクセルデータを共有した」等が挙げられます。
これらは流石に試験問題にはなりづらいかと思いますよね。
ちなみに、第1章が白書の大部分を占めています。
次に、第2章の「社会保険労務士について」ですが、
社労士の会員数や男女構成、試験の受験者数の推移などが記載されており、
第1章と同様、汎用的な知識として試験問題を作成しづらい情報が多いように感じました。
ただ、社会保険労務士が昭和43年に制度化され、仕事の守備範囲がどう広がっていったのか、
その歴史が確認できるパートは興味深いものがありました。
戦後の復興期に日本の雇用労働体制の整備がいかに大切だったのか
といったテーマは、労働一般常識や社会保険一般常識の問題になり得るので、
社労士制度の歴史の部分については、目を通してみても良いかもしれません。
ただ、その部分についても、市販のテキストである程度カバーできていると思いますので、
あえて社会保険労務士白書で勉強する必要はないのかなと思っています。
3章については連合会の財政や組織状況について、
4章に至っては関連資料についてなので、
3章と4章については完全に試験とは関係ないパートになっているかなと思います。
以上、私が社会保険労務士白書を読んでみた感想です。
よほど試験勉強が進んでいる方でなければ、目を通す必要なないというのが私の所感です。
※個人的な見解です!!
この白書を読む時間があるのなら、テキストや統計資料、厚生労働白書などに時間を割いたほうが良いのではないでしょうか?
むしろ、合格後のほうが楽しめるかもしれません。
もしよければご参考下さい!