1 労災保険法は、令和 2 年に改正され、複数事業労働者(事業主が同一人でない 2 以上の事業に使用される労働者。以下同じ。)の 2 以上の事業の業務を要因とする負傷、疾病、傷害又は死亡(以下「複数業務要因災害」という。)についても保険給付を行う等の制度改正が同年 9 月 1 日から施行された。複数事業労働者については、労災保険法第 7 条第 1 項第 2 号により、これに類する者も含むとされており、その範囲については、労災保険法施行規則第 5 条において、(A)と規定されている。複数業務要因災害による疾病の範囲は、労災保険法施行規則第 18 条の 3 の 6 により、労働基準法施行規則別表第 1 の 2 第 8 号及び第 9 号に掲げる疾病その他 2 以上の事業の業務を要因とすることの明らかな疾病と規定されている。複数業務要因災害に係る事務の所轄は、労災保険法第 7 条第 1 項第 2 号に規定す
る複数事業労働者の 2 以上の事業のうち、(B)の主たる事務所を管轄する都道府県労働局又は労働基準監督署となる。
2 年金たる保険給付は、その支給を停止すべき事由が生じたときは、(C)の間は、支給されない。
3 遺族補償年金を受けることができる遺族は、労働者の配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹であって、労働者の死亡の当時その収入によって生計を維持していたものとする。ただし、妻(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む。以下同じ。)以外の者にあっては、労働者の死亡の当時次の各号に掲げる要件に該当した場合に限るものとする。
一 夫(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む。以下同じ。)父母又は祖父母については、(D)歳以上であること。
二 子又は孫については、(E)歳に達する日以後の最初の 3 月 31日までの間にあること。
三 兄弟姉妹については、(E)歳に達する日以後の最初の 3 月 31日までの間にあること又は(D)歳以上であること。
四 前三号の要件に該当しない夫、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹については、厚生労働省令で定める障害の状態にあること。
選択肢
① 15 ② 16 ③ 18 ④ 20 ⑤ 55 ⑥ 60 ⑦ 65 ⑧ 70
⑨ その事由が生じた月からその事由が消滅した月まで
⑩ その事由が生じた月の翌月からその事由が消滅した月まで
⑪ その事由が生じた日からその事由が消滅した日まで
⑫ その事由が生じた日の翌日からその事由が消滅した日まで
⑬ その収入が当該複数事業労働者の生計を維持する程度の最も高いもの
⑭ 当該複数事業労働者が最も長い期間勤務しているもの
⑮ 当該複数事業労働者の住所に最も近いもの
⑯ 当該複数事業労働者の労働時間が最も長いもの
⑰ 負傷、疾病、障害又は死亡の原因又は要因となる事由が生じた時点以前 1か月の間継続して事業主が同一人でない 2 以上の事業に同時に使用されていた労働者
⑱ 負傷、疾病、障害又は死亡の原因又は要因となる事由が生じた時点以前 3か月の間継続して事業主が同一人でない 2 以上の事業に同時に使用されていた労働者
⑲ 負傷、疾病、障害又は死亡の原因又は要因となる事由が生じた時点以前 6か月の間継続して事業主が同一人でない 2 以上の事業に同時に使用されていた労働者
⑳ 負傷、疾病、障害又は死亡の原因又は要因となる事由が生じた時点において事業主が同一人でない 2 以上の事業に同時に使用されていた労働者
回答
A: ⑳ 負傷、疾病、障害又は死亡の原因又は要因となる事由が生じた時点において事業主が同一人でない 2 以上の事業に同時に使用されていた労働者
法改正の中でも比較的ホットなテーマが取り上げられました。
個人的には法改正に絞って受験対策をしないことにしていたのですが、
さすがにこの論点は人事労務に携わっていると様々な場面で眼にします。
私自身をはじめ、副業をする方が増えているご時世なので、興味をもって調べていた論点でした。
ただ、改めて「事由発生時点で何カ月使用されていたか?」という問いには即答できず、
逆にまったく記憶にないのであれば、事由発生時点の期限的縛りは「ない」と判断し、
⑰~⑳の選択肢の中から⑳を選びました。
日頃の自分を信じてあげることも重要ですね。
B: ⑬その収入が当該複数事業労働者の生計を維持する程度の最も高いもの
個人的にかなり難しく感じました。
⑬は複数の収入がどちらも生計を維持するに足りなかったらどうするの?と感じ、選びにくかったからです。
ただ、その他の⑭~⑯までの選択肢もしっくりこず、答えを知らなかったら論理的に絞りづらい問題だったのかなと思います。
C: ⑩その事由が生じた月の翌月からその事由が消滅した月まで
こちらは必達の基礎問題ですね。
社会保険の年金と同様、基本的に年金は「月」を単位に改定・計算される場合が多いです。
D: ⑥60
個人的に思い入れがある論点です。
この問題は条文をそのまま持ってきているので、おそらく⑥の60が正答になると思います。
しかし、55歳以上で受給権が発生し、60歳までは支給停止というルールもあり、55歳という選択肢を完全に捨てきれない、とてもややこしい問題になっています。
Dは選択式対策アプリの「秒トレ」でも同じ問題を出題させて頂いていて、
「答えが間違ってますよ」という指摘を受けることも度々ありました。
試験問題にはしづらい論点だろうなぁと思いつつ、でもボツ問にするのは惜しい!と思い残していたのですが、まさかホントに選択式試験に出題されるとは・・・。
もしかするとサプライズがあるかもしれないので、基準点割れした受験生も希望を持ってよいかもしれません。
E: ③18
こちらはさすがに迷わず③の18歳を選びたいところです。
社会保険だと、18歳まで、ただし障害がある場合20歳まで!のようなルールがありますね。
この辺りはかなり混乱する論点だと思いますので、
科目を横断しながら確認し、整理することをお勧めします。